ふわり







やけに高い所につけられているのがいらつくけれど、

この家でシャワーを浴びるのが、実は好き。









いつ掃除をしているのかわからないけれど、

白いタイルはいつも綺麗で、

いつもと変わらないタオルの香りも、実は好き。







バスタオルを棚から出し、

タオル掛けに既にかけてあるタオルを少しよけて、

自分のをかけた。







半透明の扉を開けて、

自分の頭より随分高い所にあるそれに気付かないふりをして、

お湯を出す。









肌を濡らすあたたかさと、包む香り。









それはシャンプーとボディーソープの香り。



香水を使わない、彼の香り。















同じ香り。



一緒に生きているという、感覚。















この家でシャワーを浴びるのが、実は好き。







2011.10.09.



*Roy+Edward








© 2011 Nami NAKASE