5.視線





あんたの視線に気づいたのは、いつ頃だっただろうか。

ふと感じる、それ。

最初は不快でたまらなかった。

どうせ、また女みたいだとからかう視線だと思っていた。



でも、それが、今。

どうして、こんなに焦がれるのだろう。



あの頃と変わらない視線なのに。

ふと感じる、それ。



身体がざわつく。

それは、





不快の正反対。










 



*一周年祭



© 2011 Nami NAKASE